ひよこの刺青

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それ以上は追求できない強い口調のドラゴンにあたしは口を閉ざす。 「ぴよ…龍人くんって…僕の子だよね?」 突然の発言にあたしは冷めたミルクティーを噴き出してしまった。 「ごめん…いきなり言って。でも名前が龍人だし、それに僕の子どもの頃に…そっくりだったから」 そう言うとドラゴンは近くの棚から一枚の写真を取り出した。 とんとんと指で写真を軽く叩く。 「見て」 そこには龍人そっくりの男の子がいた。唇を除いては。 「……」 「…あれからずっとぴよを探してたんだ。だけど名前もどこに住んでるかもわからない。……巣立ったひよこを探すなんて、変かもしれないけど、僕の人生にぴよが必要だったから。…………最初はぴよの人生に僕は必要じゃないかもしれないって怖じけづいてた。だけど…あの絵が完成したら、ぴよへの想いは絶対なんだって気づいちゃったんだよ。だから……ぴよに拒絶されたらなんて考えないで、ぴよを探してた」 いっきに話すドラゴンを初めてみた。 「7年かかったけど言わせてね。 ぴよを愛してるよ」 あたしは理性を海に放り投げて、ドラゴンの胸に額をつけ背中に手を回す。涙が止まらない。今までの想いが溢れ出す。 「うぅぅ… あたしだってドラゴンに会いたかった。 ドラゴンのこと愛してる。」 愛してるという言葉は今までこの地球上で幾億回使われたのだろう。 それでもあたしたちは「愛してる」という言葉を使う。 それ以外に該当する言葉がないから。 あたしの涙を唇で吸うとドラゴンはあたしの頬を両手で包んだ。 ドラゴンの唇があたしの唇に重なろうとした瞬間、あたしの理性が戻り、ドラゴンの胸を押していた。 「ぴよ?」 「…ドラゴン、龍人は、龍人はドラゴンの子じゃないかもしれないんだ」 .
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