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「どうせ明日も休みなんだし」
コイツの発言に他意はない。
泊まったらどうなるとか、そういうところまで頭は働いていない。
単純にもっと一緒に遊びたいだけなんだろう。
「……いいの?」
「うん。どうせ誰もいないし、遠慮すんなっ」
そうやってお前は無意識のうちに俺を繋ぎ止めるから、俺はますますお前にハマっていくんだ。
「いや、そういう意味じゃなくて……」
「じゃなくて……?なんだよ」
可愛らしく上目づかいで首を傾げる要。
付き合ってもやっぱりこの鈍感さは変わらない。
本人も気にはしているみたいだけれど、コイツの鈍感はある意味天性だから多分一生治らないと思う。
俺はその場にしゃがむと、ボケッとしている要の顔に自分の顔を近づけた。
「泊まったら襲っちゃうけどいいの?の、意味」
「っ!!!!」
やっぱり全然気づいてなかったし……。
顔を赤くして口をパクパクする要を見て俺は呆れ気味にクスリと笑った。
「ん……んなこと聞くなアホ!」
「て、ことは襲っていいってこと?」
「誰もいいとは言ってな……!」
全部言い終わる前に要にキスをしたら、電池が切れたみたいに大人しくなった。
たしかにいいとは言ってないけど、受け入れてくれるってことはいいって言ってるようなもんだろ。
ツンデレのわりに体は素直なんだよな、コイツ。
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