Sweet Sweet my darling

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なんだか段々恥ずかしくなってきて、俺は足元にあった薄い掛け布団をかけ直すと口元までしっかりと覆った。 「……蒼、ごめん」 「え?なんですか?」 突然謝り出す俺を見て蒼は首を傾げる。 「あー……その……デート、行けなくてごめんね……」 俺たちは、普通の人たちとはまるきり正反対の順序を歩んできた。 普通は、出会って、友達からスタートして、何度か遊びに行ってるうちに惹かれあって、どちらかが先に告白して、付き合う。 キスもエッチもそれから、というのが一般的。 俺たちの場合、出会った直後にキスして、エッチしてと、順序がぶっ飛んで、好きという気持ちはあとになって芽生えた。 おかげさまで普通の人たちが歩む“デート”を抜かしてしまっていて、付き合ってから初デートをするという形に……。 「……楽しみにしてたんだけどな」 どんな服着てこうかとか、どこに行こうかとか、なに食べようかとか、相手が蒼だと思うだけでワクワクして、これが恋なのかってしみじみ実感してたのに……。 まさか初めてのデートが早速中止だなんて、残念すぎる。 天井を見つめてしょんぼりしていると、蒼が優しく頭をなでた。
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