桜舞い散る転校生

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桜の花びらが町を包み込み、温かい風が吹き抜けていく四月。 無事、二年に進級した俺は新しいクラスに行った。 ほとんどが知らない人だらけの中、背後から肩を強く叩かれ後ろを振り向くと一年で一緒だった男子が立っていた。 「おっす!アスカお前も同じクラスだったのか、何か縁があるなー俺達」 「よう國桜、相変わらず元気だなお前」 「おうよ!…男國桜、今年も元気にいい女を探すぞー!!」 國桜の周りに熱い炎がメラメラと燃え上がった。 翡翠 國桜、俺のダチで大の女好きの男。悪い奴ではないが綺麗な女の子を見るとすぐ好意を寄せるのがたまに傷。 「あーそうだ、アスカ知ってるか、今日転校生が来るらしいぞ…男か女か、できれば女でいて欲しい…! 」 「おいおい…」 するとチャイムがなり席に戻った。 ガラガラ…ッと扉を開け入って来たのは、癖のある短い黒髪と眼鏡が特徴の阿夏先生だった。 教卓に出席簿を置き、先生の自己紹介が始まった。 「本日よりこのクラスの担任になった阿夏です、一年間よろしくお願いします」 教室中から拍手喝采がひろがった。 阿夏先生はこの学校で一番優しくて有名な先生、だから担任の先生が阿夏先生というのは一年間留年の心配をせずにいられるのと同じぐらい嬉しいことなのだ。 手を叩き『ハーイ、静かに』と言うとさっきまでの盛り上がりから一気に静まり返った。 「はい、ではまず最初に転校生を紹介したいと思います…入って」 先生が合図を送ると扉をガラガラ…ッと開けて中に入って来た。 だが、それを見て思わず椅子からコケそうになった、だってそいつは…。 入って来た人物は先生の側まで来ると、後ろの黒板にチョークを使って名前を書いた。 書き終えチラッと一瞬俺を見ると、すぐ視線を教室にもどして凛とした声で自己紹介をした。 「ミズハ・イリチアーニよ、仲良くしてくれると嬉しいわ」 異世界アルカナからやって来た水瓶座の巫女様が、何故か学校にやって来た。それも、転校生として…。 笑顔で自己紹介をすると、ミズハのあまりの可愛さに俺以外の男子はメロメロ、女子も一部がうっとりとした状態になっていた。 本当に学校に来やがった…。
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