一雫の朝

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斎藤はやはり混乱している。靈羅は『いく』といってから、まったく動かないどころか、構えさえ外してしまったのだから。当たり前だ。 殺気もまったくもって出していない。 やる気のないようにもみえる様子の靈羅に、『あの』沖田が負けたなどと到底思えない。 普通なら殺されている。 息をしているかもわからない。       ・・ 更に、そこにいるはずなのに… 見えているのに、まばたきする度に靈羅がいるかどうかわからなくなるほど気配も生気もない。
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