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新撰組って… 確か江戸時代の幕末中心に 動いた剣客集団で、 明治に入ってからは だんだん姿を 消していったとかなんとか 教科書に書いてあったな…。 いや、だからって ここが新撰組屯所って 明らかおかしいでしょ… 江戸時代の人達の話 なんだから。 まぁ確かに皆さん 着物なんか着てるし、 刀までさしちゃって 新撰組になりきってるけど。 ………あ、もしかしてアレ?? 「コスプレですか??」 「は??」 怖いひとは 口をぽかんと開けて 眉間に皺を寄せる。 ……あれ?? コスプレじゃなかった?? 「…歳、こすぷれとはなんだ??」 怖い人の隣に座っていた 優しげな男の人が 初めて口を開いた。 「…いや、俺にもわからねぇ」 …この人たち、 コスプレ知らないの?? 「え、あの…コスプレじゃないならなんで着物とか着てるんですか??それに、いくらおもちゃでま刀なんて持ってたら危ないと思うんですけど…」 そう言ってあたしは、 ふと考えた。 ……そういえば… あたしの首に 傷をつけたあいつが 持ってたのは…… あれはおもちゃの度を過ぎて もはや本物だった…。 近くに倒れてた死体も あの男が殺したんなら、 間違いなくあれは本物の日本刀 ……今の日本に 刀を持ってるひとなんて そうそういないんだから、 もしかしてあの男も この[自称新撰組]の 仲間なんじゃ……?? てことは、 この人たちも 人殺しなんじゃ……?? 「……………。」 そう考えてたら、 自分でもわかるくらいに あたしの顔からさっと 血の気が引いていた。 「……おい、お前」 「…………。」 「てめぇ、聞いてんのか??」 「…………。」 あたしは放心状態だ。 「………もういい。話にならねぇからとりあえずこいつはどっかの部屋にぶちこんどけ。こいつの処分は今度考える」 怖い人は溜め息をついて そう告げると、 あたしは2人の男に 両腕を捕まれ、 別の部屋に連れていかれた。 「逃げようとか変な気は起こすなよ」 「…ここで大人しくしていろ」 それだけ言って 2人の男は去っていった。  
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