第1章 彼の背中

6/32
4372人が本棚に入れています
本棚に追加
/598ページ
打ち上げなんて誘われるのはいつ以来だろう。 入社時の歓迎会以来、飲みに出るのは久しぶりで。 仕事帰りに会社の人と飲むなんて…、やっと社会人の仲間入りをしたみたいでくすぐったい。 後で家に連絡入れておかなきゃ。 私は思いたって、 「主任、コーヒーどうですか?」 「お、いいね。頼んでいいの?」 「もちろんです。ブラックでしたよね」 私はもう一度笛吹主任に営業スマイルで答える。 そして、給湯室へ向かう途中で課長にもコーヒーの有無を確認し、加賀谷主任の後ろを通り抜ける。 今の会話、聞かれたかな…。 少し緊張しながら給湯室の扉を開いた。 .
/598ページ

最初のコメントを投稿しよう!