8287人が本棚に入れています
本棚に追加
/571ページ
人気の少ない、道路沿いの歩道を、黒髪の少年と茶髪の少年が二人、並んで歩いている。
二人は楽しそうに話をしていた。いや、訂正。黒髪の少年は面倒くさそうに渋々、茶髪の少年の話を聞いている。
しばらく歩くと、二人の足元に魔法陣が現れた。正確には、茶髪の少年の真下に現れた。
茶髪の少年の足は、泥に埋まるかのようにくるぶしまで魔法陣に埋まっていた。
黒髪の少年の腕を引っ張っている茶髪の少年。黒髪の少年はそれを振りほどこうとしている。
茶髪の少年の手が、黒髪の少年の腕から離れた。
その際の勢いで、数歩下がる黒髪の少年。道路に出た。
その刹那、黒髪の少年は走ってきたトラックに撥ねられた。
その直後に、茶髪の少年は魔法陣とともに消えた。
最初のコメントを投稿しよう!