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「商売繁盛やなー!」
前を見ると虎が大声を上げていた
「へー。これがアナサラムか~」
辺りを見回せば木で簡易に作られた店やレンガで作られた建物が所狭しに並んでいる
その上そこかしこから人の喧騒が聞こえてくる
「これ旨そうやな!」
と虎はなんの肉か分からない生肉を見ていた
やっぱり肉食獣か…
「兄ちゃんお目が高いねー!うちの肉は絶品だよ!どうだい?安くしとくよ!買ってくかい?」
「おっちゃんええんか!?」
こいつは…
「すいません。こいつ実は肉アレルギーで肉が食べれないの分かってるのにこいつったら…グス」
「へっ?」
「兄ちゃん皆まで言わなくても分かったぜ…すまんかったな…見たところ虎の獣人なのにかわいそうに…」
「いえ、お心遣いだけでもありがたいです。それじゃ迷惑かけないうちにこれで失礼します」
「おぅ!肉食べれるようになったらまたきな!安くしとくからさ!」
お辞儀をして隣で驚愕したまま放心している虎を引きずって肉屋を後にした
後方で肉~と叫んでいるのは無視して…
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