白陽学園腐レンズの会

30/41
15083人が本棚に入れています
本棚に追加
/1610ページ
  その先にいた根倉さんと視線が合うと、ビクッと身をすくめて―― それに、根倉さんの瞳にはじわじわと涙が滲んできます。 「ハイ、ジ…」 「ち、違うでござるっ!!違うでござるよ、クララ!? これは萌えでござる!!萌えは恋愛とは違うのでござるよっ?」 「タチになっても、いいって――」 「聞こえたのでござるかっ!?」 雲隠先輩は途端に慌て始めます。 それを見た根倉さんは、ついに泣き出してしまいました。 「うっ…どうせ、俺なんて――ううっ、うっ…うわああぁっ!!」 「クララアアアアアァッ!?」 「…あいつら何やってるんだ?」 「さあ?俺にはさっぱり」 本当、何をしているのでしょうね? 泣いて走り出した根倉さんと、それを追いかける雲隠先輩を見て思います。 お陰で羞恥心は吹き飛びましたが―― そうです!! 大事な事を思い出して、立ち上がりました。 その勢いに驚いたらしい灰谷さんと副会長に詰め寄ります。 「先程見たことは、忘れて下さい」 「先程と言いますと?」 副会長が意地の悪い顔をして、聞いてきます。 分かっているでしょうに、わざとらしい… 惚ける副会長にニッコリ笑みを返しました。 「おや、口で説明しなければならないほど、あなたは馬鹿なのですか?」 「いえ。分かっていますが、万が一間違っていたりしたら、困るのはあなたでしょう?」 「……」 そう来ましたか。 そういえば、副会長も馬鹿ではありませんでしたね。 間抜けなので、すっかり忘れていましたが。 こうなったら、先に灰谷さんを――  
/1610ページ

最初のコメントを投稿しよう!