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「……はい」
ルビカがそう言った途端に、胸が苦しくなった。
だって、ルビカがすごい辛そうな顔をしたから。
私が傷つけた……?
「どこで?」
こう言ったら、もっと傷つけることがわかっていた。
だけど、聞かずにはいられなかった。
「……知りたいですか?」
「…も…もちろんよ……」
聞いてはいけないような、気がしていた。
だから、「聞きたくない」と、言いたかったはずなのに、私の唇は勝手に動いていた。
「……魔界です。」
嘘だ
って、言えたのに。
ルビカが真面目に言わなかったら、そうやって否定できたのに。
私はできなかった……。
本当のことだって
わかってしまったから……。
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