最後の願い

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会場に着くと受け付けに三木君が居て、私を見つけるなり笑顔で駆け寄って来た。 「遅いから来てくれないかと思った。」 「茜がやっぱり行かないとか言い出して、それで遅くなったの!」 口を尖らせながら横目で私を見るから、居心地が悪くて首をすくめていると、そんな私を見て三木君は優しく微笑んでくれた。 「でも、来てくれて良かった。もうみんな来てるから、中入ろう。」 歩き出した三木君に続き奈々も歩き始めたんだけど、私は土壇場で不安に襲われ奈々の腕を掴んだ。 「本当に…来てないんだよね?」 「え?何が?」 「……将紀…、本当に来てないんだよね?」 奈々の顔を覗き込み真っ直ぐ見つめると、奈々は視線を逸らし三木君を呼んだ。 「ねぇ、三木君!」 「ん?何?」 「茜が、将紀来てないか心配してるんだけど、大丈夫だよね。」 「あぁ…大丈夫だよ。」 三木君はちょっと複雑そうな表情を浮かべたけど、大丈夫って言うから私は小さく深呼吸をして奈々と三木君と一緒に会場に入った。
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