1人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
僕と彼女の日常1
ここからは、普通の日常を、見ていただきたいと思う。
くれぐれも間違わないで頂きたい。
これは僕らの『日常』である。
決して、喧嘩直後とかではないのである。
『咲乃、デートに行こう。』
僕は、電話で咲乃にそう切り出してみた。
もうすぐ付き合って1週間。
あまり恋人らしいことはしていないが、デートくらい行きたいものだ。
もちろん僕らは交際しているわけだから、OKの返事が来ると僕は確信していた。
しかしだ。
一筋縄ではいかないのが、咲乃という人間だった。
ふぅ、と一つため息が受話器越しに聞こえた。
うぅむ、色っぽくて可愛いため息である。
流石僕の恋人。なんて事を僕は考えた。
『何故私が、桐谷くんみたいな社会の底辺、或いは現代社会のゴミ、端的に言えば屑野郎とデートしなければならないのですか?』
これには泣いた。
最初のコメントを投稿しよう!