序章

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ジリリリリッ!!ジリリリリッ!! 6:30分…目覚まし時計が部屋全体に音を響かせている。 ここは、ある男の部屋…男の部屋には大きなタンスとハンガー掛け、そこには普段着と制服が干されていた。 部屋の隅には勉強机が置かれており、隣には大きなベッドが置いてあった。 ベッドで寝ている男は、右手を動かし枕の隣で鳴っている時計を掴みアラームを止めた。 男はゆっくりと目を開き、掴んだ時計を見て上体を起こした。 男は金髪の紅眼で、白い半袖と水色のズボンを履いていた。 男は髪を掻きあげ立ち上がろうとした。 が、何かに気付き、ため息を吐いた。 ???「またか…」 男はそう呟くと、掛けていた布団を一気に捲った。 ガバッ、 ???「すー…すー…」 そこには、男の膝を枕にして丸まり眠っている少女がいた。 少女は長い黒髪で、上下淡い桃色のパジャマを着ていた。 ???「おいロコ、朝だ…起きろ」 男はロコと呼んだ少女の頭を撫でながら言った。 ピクッ、 少女の頭の上にある耳?のようなものがピクピクと動くと、ロコと呼ばれた少女は目を覚ました。 ロコ「あ、真之…おはよう」 ロコは身体を起こし、その場に座た。 真之「おはようロコ、そして…またか。 何で人のベッドで寝てんだよ?」 ロコ「だって…真之とじゃないと…落ち着いて寝れない」 ロコは視線を落とし、呟くように言った。 真之「キリ姉がいるだろ?一緒に寝てやれよ。 キリ姉寂しがってたぞ?」 ロコ「う…うん…」 真之「それに…俺は男、お前は女だ。 年を考えても…あまり一緒に寝るのは少しまずいんだよ」 ロコ「…真之は、私の事…嫌いなの?」 ロコは潤う瞳で真之を見上げた。 真之「…嫌いじゃない///」 真之は顔を逸らせて言った。
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