後の祭

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次回は江戸時代、猿若町にあった歌舞伎、江戸三座に触れたいと思います。 歌舞伎の祖、猿若勘三郎の名からついた猿若町は今では浅草6丁目となり、町会名として、その名は残りました。 猿若勘三郎は先日、亡くなられた中村勘三郎さんのご先祖です。 これは町会役員さんから伺ったお話です。 数年前、猿若町会事務所が新築され、その落成式の招待状を勘三郎さんへお送りしました。 もちろん、お忙しい方なので叶わないと知りながらも、縁のある猿若町会へぜひ来て頂きたいという思いと江戸っ子の洒落を、招待状に込めてお送りしたのです。 当日は歌舞伎座が改築工事の為、千秋楽となる日でした。 しかし、勘三郎さんは駆けつけてくれました。 それどころか、後日、平成中村座に町会役員さんたちを招待して下さったのです。 勘三郎さんの義理堅さと、気前の良さにとても感銘を受けました。 斬新でありながら、伝統を守る芸、新しく挑戦する素晴らしい考えと才能をお持ちの方でした。 本当に惜しい方を亡くしたと残念でなりません。 心よりご冥福をお祈り致します。 次回は江戸期の歌舞伎界の陰と陽を描いていけたらなと思います。 吉原もそうですが、華やかな世界には必ず影があります。 次回もぜひ宜しくお願い致します。 それでは猿若 千両役者の怪、間も無く開幕です。 最後になりましたが、 明けましておめでとうございます。 本年も宜しくお願い致します。 平成25年 元旦 浅草アリス
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