路地裏とかろくなことがない

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「どうして?これほどの魔力や属性を持ってるなら、特例でいきなりSランクは間違いないわよ?下手したら帝にもなれるし。そうしたら下手な貴族よりも地位も名誉も手に入るのに?」 「俺は別に富や権力が欲しいわけじゃないんで。ただ平和に暮らしたいんですよ、だから目立ち過ぎるのは避けたいんです」 帝とか面倒だろうし、第一ヒーローとかは柄じゃない気がする。 「そうは言われてもね・・・・・ギルドとしても実力者を求めてるのは当たり前だし・・・・・」 ギルドの受付としての感情と、一人の人間としての感情の間で、困った様な表情を浮かべる。 「俺に代わる実力者がいればいいんですよね?なら問題ないです。そのうち俺と同じような力を持った奴が現れると思うんで」 王道主人公太一のことだ、どうせ美人連れてやって来るだろ。 「どうしてそう言えるの?」 「旅の途中で聞いたんですよ。有り得ない強さの人間が王都に行ったって。あと知り合いの情報通からね」 かなり苦しいと思うが、ごり押しでなんとか乗り切る。 最終的には根負けし、秘密にすることを約束してくれた。
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