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週に1回か2回しかこない子には
たまに顔を合わせるだけなので
それなりにやる事も伝える事もあり
会話ももつのだが
何回もこられると話が段々なくなってくる
当然生徒対応マニュアルには週1・2回の頻度でしか
内容が書かれていない
だから、進度とかもそれ用にしか
進めるように書かれていない
彼女は割りと出来がいい方で
すぐに宿題を終わらせてもってくる
しかも頻度が高いので出す宿題がすぐなくなる
そうなるともうお手上げなのだが
来るなと言いえない為、指導係も担当も彼女に対して
微妙なゆとり時間が発生していた
実際問題として営業担当の仕事は
契約をとる事が8割
担当する生徒のアフターフォローは1割あるかないかだった
来室すれば顔を出さざるを得ず
会えば喋る
喋っているとキチガイ所長の表情が段々険しくなり
契約を取って帰れなければ
次の日ねっとりとした爆弾が落ちる
そんな中でも自分の生徒を無碍にも出来ず
早いところ切り上げる方法として
次の学校のテストで○点以上とったら○を買ってあげる
というものだ
もちろんお菓子でも漫画でもなく
実際は辞書だったりCDだったり
何かの本だったりと
なるべく学業に役立つものをチョイスして提案していた
が
彼女がほしがったものは
ぬいぐるみだった
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