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それはそうと、と話を切り替える男性。
「ひっ…な、何ですか!?」
まるで化物を見るが如く震え上がる死神。
「いや、君に聞いていない。そろそろいい加減に姿を現してくれないか…神様?」
しゅん、と落ち込む死神。
それをよそに若い何かがすぅー、と姿を現した。
「君、何者?」
男性が神様と呼んだそれの顔は少し青ざめていた。
「なぁに、俺は只の人間だ……少々現代社会の電波に毒されてるがな」
「ま、まぁ場をわきまえてるなら良いや」
こほん、と咳払いをする神様。
「五月女出雲(さおとめいずも)、ここへ来た理由は…そこのへっぽこ死神に人違いで殺され死亡……どこ行くのかな?」
どすんと頭上から檻が落ちてきて死神を捕まえる。
「いぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
3度目の発狂。
「逃がすと思いですか?そうは問屋が卸しませんよ?ヴィオ」
「閻魔大王様ぁぁぁぁぁっ私は、無実れすぅぅぅ!!この人が「煩いですよ」むがー、むがー」
憐れなり、ヴィオと呼ばれた死神はその瞳に絶望の色を浮かべて責任転嫁してきたのでギャグボールで口を封じられてしまったのであった。
「とりつくしまもねぇな、こりゃ」
やれやれと呆れ返って溜め息を吐く。
「ええ…お恥ずかしい限りですよ、全く」
流石に神様も苦笑せざるを得ない。
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