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「ゼンちゃんおはヨーグルトぉ!」
俺が会社にたどり着くなりヘラヘラ笑いながら下らない親父ギャグを飛ばしてくる芝上 遊助【シバカミ ユウスケ】。
こいつは俺と高校時代から何故か一緒で大学から就職先、さらにはついた部署も一緒と腐れ縁にも程があるような奴だ。
「よぉ。おはよう」
俺は冷静に挨拶を返す。正直朝からこのテンションで来られるのは腹ただしいのだが顔には出さないようにした。
「お! 朝からクールだねぇゼンちゃん! そうやってクールにくる? なんちゃって!」
俺はまたかと思いながら隣できやすく肩を何度も叩き大笑いするこいつを冷ややかな目で見る。
どうでもいいがゼンちゃんってのは正直やめて欲しいといつも思う。俺の名前が前田 善吉【マエダ ゼンキチ】だからゼンちゃんとか、もう高校の時から呼ばれていて周りのやつからもすぐゼンちゃんと統一されてしまう。
だがはっきり言う。俺はそのあだ名が大嫌いなんだ。
「芝くんもゼンちゃんもいつも仲がいいよねぇ」
くすくす笑いながら声をかけてきたのは雪沢 藍【ユキザワ アイ】。
俺らより一つ年上の綺麗な女性だ。長い黒髪に整った顔立ち。溶けてしまいそうな白い肌。
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