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誰なんだあの男は
邪魔な人間を排除して俺の国を造ろうとしていた時にそれはやってきた
紅い外套が風で揺れるその出で立ちは全身に血を浴びたかの様な不気味さを放っていて狂気を感じる
神に間違って殺されて、いろいろと能力を貰いよくわからない世界に落とされ、赤ちゃんからの再スタート
最初は面白い世界になるだろうと思ってから五年、俺は絶望した
生みの親は自分達が作った借金の為に俺は組織に売られ俺と言う人間の身体を弄くりまわして化け物にしやがったんだ
憎かった、俺を売った親も俺をモルモットとしか見ない科学者連中も、人間が憎い
だから決めたんだ、俺と同じ境遇の奴等を集めて新たな国を造ろうと、その為には先ず人間を滅ぼす
そうして動いた結果がこれか
身体中が痺れた様な感覚で指先一つ動けない、奴は毒だと言っていた、何時から撒いてたかしらないが多分会った時からだ
素体が人間の俺にしてみれば銃火器なんかより質の悪い攻撃
並外れた身体能力と反射神経で銃弾は効かないし刃物もこの腕で防げる
だから毒を使ってくる奴は天敵とも言えた
しかし、テレポートが使えるお陰で逃げ出す事には成功
後は毒が消えるまでじっとして今居る位置がバレない様にするだけ
生憎と全身が痺れてる今はテレポートで迂濶に動けない、もしヒーロー何て連中に出くわしたら俺は捕まってお終いさ
それだけは回避すべきこと
「……う…ぐっ…」
それにしても自然治癒が早い俺の体でも中々毒が消えないってどれだけ濃い量を撒き散らしたんだよ
それなら使用者も危険な気がするけど、もしかして自分の毒は効かない能力とかじゃないだろうな
それならそれで凄くヤバい相手だ
クソッ!口も動かないから悪態も吐けない、それと早く治れ俺の体!
「……………ッッ!?」
そんな大事な時、俺が隠れている廃ビルの廊下を歩く足音がした
息を呑む俺、もう嗅ぎつけられたのだろうか
それならヤバい
俺は敵の接近を感じて一つ上の階にテレポートをする、これで一安心
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