6月6日

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「だからだ!一応、天気予報は昼から晴れるとは言ってるけど、ベタっとした白飯ではなく、パラリとした炒飯にふわとろ卵の天津炒飯を希望してるんだ。炒飯のようなカラリとした天気になるようにな!」 「意味なくない?」 「でも、これを逃したら次に見れるのは105年後なんだよ?無意味でも願掛けくらいしたくなるさ」 ふぅん?なんて、解ってんだか解ってないんだか 「ネットの方が綺麗に見えるくない?」 ナナがパソコンを開いて探し始めようとするのを慌てて止める 「待て待て!まずは肉眼で観察して、その感動を体に染み込ませるのが先だ!」 「でも雨じゃん」 「とりあえず、2時までは見れるみたいだから、それまでは祈り続けるのみだ!」 外を見ると雨は小降りになっている 「てかさ?金星の太陽面通過って、日食みたいなもん?」 「いや、金星は遠いから、小さな点にしか見えないらしいよ?」 「肉眼で見えるもんなの?」 「……知らない」 にわか天文ファンの知識なんてこんなもんだ 「じゃあさ!じゃあさ!天文台まで見に行こうよ!」 サッと車のキーを取って、玄関に走って行く 犬みたい 「西にずっと行ったら、ちょっとでも見れる時間増えそうじゃん!」 中国すら越えそうな勢いだけど、太陽面通過の時間はそんな変わんないから、移動してる間に終わっちゃいそうだけどね? って、どんな勢いで車とばすつもりだよ
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