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「……君は――」
オレンジの髪のサイドテールを揺らし、こちらに視線を投げかけてくる彼女は、あたふたといった様子で続けた。
「あの、ウチがもっと早くに来てたら、こんなことには……」
「えっと、どちら様……?」
卓磨の呼びかけに、少しだけ肩が跳ねたようだった。
「あっ、うん、南帆 夏佳って言うんやけど、えっと……」
「大臥ー! 卓磨ー!」
その彼女の声を遮るようにして、いつも聞く声が耳に届く。
「セトラスだ」
卓磨もうん、と頷いた。その直後、飛び込むような速さで走って教室に入ってきたのは、やはりセトラスだった。
「うわ……、これはまずいことになったな」
教室の惨状を見るなり、彼はそう言い放った。
「すまん……、思うように戦えなかった」
「すいませんセトラスさん」
相次いで謝る俺達に続き、
「か、堪忍してくださいセっちゃん……」
ちょっと呼び名が気になったが、夏佳ちゃんもセトラスに向けて言う。
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