白馬の王子様

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まぁ、そんな自己紹介を脳内で終えたところで、状況は何も変わらないのだけれども。 休日の昼間から自分の部屋でごろごろして漫画を読んでいる。 自堕落した休日の過ごし方だった。 寮生活をしているのでそういう生活になりがちである。 一応言っておくが、友達がいないわけじゃないからね? ちゃんといるからね? 今日はたまたま遊んでないだけだから。 と、ここで従姉の一(はじめ)ちゃんからの電話が鳴った。 遊びの誘いを期待しつつ私は電話をとった。 「はいもしもし?」 「もしもしランちゃん? 今どこにいるの?」 「自分の部屋だけど、どうしたの?」 私が答えると一ちゃんはふぅと息をついた。 「なら一安心だけど……ねぇ、テレビのニュース見た!?」 「見てないけど……」 むしろ女子高生が昼間にニュースを見ている可能性は少ないと思うのだが。 「そっか。じゃああたし、今からそっちに行くし絶対に外を出歩いちゃダメだよ!」 そう言って電話が切れた。 何がなんだがわからないのでテレビをつけてみる。ニュース番組でちょうど私の住んでいる町の映像が流れていた。 『今日午前11時頃、馬の覆面を被った男が女子小学生20人以上に抱きついてキスをしようとする事件が発生。容疑者は今だに捕まっておらず――』 「私は女子高生じゃあああ!!!」 リモコンをテレビの画面に投げつけた。 パリンと画面は割れてリモコンが突き刺さる。 一ちゃんが来たらとりあえず小一時間説教しようと思う。 誰が小学生だコラ。こちとら気にしてんじゃワレ。 まぁ怒る気持ちとテレビの請求書は一ちゃんにぶつけよう。 とりあえず、割れた画面の破片を拾って一ちゃんを待つ。 すると、呼び鈴が鳴った。 随分と早いな。 近くから電話してたのだろうか。 私はすぐさま玄関に向かい、ドアを開けた。 そこには一ちゃん――ではない何がいた。 白い毛の、馬の顔をした男が立っていた。
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