そして私はさ迷って

12/26
2898人が本棚に入れています
本棚に追加
/423ページ
鎖の先にたどり着くと、そこには鎖に巻かれたまま地に伏し、唇まで真っ青なクレアがいた。 呼吸が荒くしばらく話す事はできなさそうだ。 「今度こそ私の勝ちですね」 そう言うと、クレアは何か言いたげな目を私に向ける。 「色々と言いたい事はあるかも知れませんが、貴女の力を私達に貸してくれませんか」 私のその言葉を聞いて、クレアは途切れ途切れに声を発する。 「誰が…お前…なんか…に」 私は笑顔でクレアの方を見る。 そして、クレアの周囲に真空空間を作る。 真空中でクレアは絶望を見たかのような目をしており、正直やり過ぎた感が拭えない。 真空空間を解除すると、咳込むクレアに、まぁ話くらいは聞いて下さい、と今までの経緯を話しながら説明する。 「そして、貴女には学園の警備をお願いする事になるでしょう。報酬も出しますし、何ならそのまま学園に通っても構いませんよ」 そんな事を言うと、クレアは私に向かって言う。 「私が…学園に…行ける…のか」 私は首を縦に振ると、クレアは大人しく、呼吸を整え始めた。
/423ページ

最初のコメントを投稿しよう!