雨の日の怪

戒め

『雨の日は、何があっても家族以外を家に上げてはいけない』

怪談話ではそんな戒めがよく登場するが、頻繁に使われるのには、やはりそれ相応のわけがある。

信じるか、信じないか。

それはこれを読んだあなたが決める事だけど――雨は水気を運び、水気は霊気を呼び寄せる。

そして、集まり淀んだそれは、"こちらの世界"と"あちらの世界"の境界を曖昧にさせるのだ。

曖昧な境界はその意味を無くし、あちら側のイキモノが意図も簡単にこちら側に紛れ込む。

だから、気を付けて？

雨の日は、何があっても家族以外を家に上げてはいけないよ？