⑨ 元親衛隊隊長と元人気者

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重い沈黙が流れるなか、誰かがコツリとシャーペンを机から落とした。 「あっ」と言う誰かの声と共に海はしっかりと刃先を掴んで自分の喉元に運ぶ。 『やってみたら?』 さっきより深く手のひらに肉が食い込みナイフを赤く染めた。 当の本人はニヒルに、涼しげに笑って見せる。 そこでやっと彼は表情を歪め、愕然し怯えたは瞳で海を見つめた。 『さぁ、殺ってごらんよ。その為にここに来たんでしょ?』 やめて、と彼は呟いた。 トラウマを克服できていない彼はまだまだ僕には届かない。
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