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そうだ。麻美に連絡しなくちゃ。
煙草を喫いたかったが、それよりも携帯を先に掴んだ。
さっきの店に居るのなら、電話するまでもないのだが、用件が済み次第すぐに……この、直ちに連絡したという事実が大事なのだ。
『相談事は終わったのね?』
麻美が直ぐに応答したので現在地を確認した。
「今、店を出たよ。すぐに向かうけど、さっきのところでいい?」
『ううん。あなたの後ろ』
「えっ?」
振り返ると麻美が笑いながら近づいて来る。
そうして僕の右側に立ち、すかさず腕を組んだ。
こういう予想外の行動に、いつもドギマギさせられる。
僕は携帯をたたんだ。麻美もスマホをバッグに収めた。
「夕ご飯を食べましょ。【ビストロ白ひげ】で」
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