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長州藩で代表的な人物と言えば…
「……桂小五郎?」
「……………!」
「そっちのは、高杉晋作?」
「…………ほぉ」
何と無くイメージで名前を当てはめて見たが……どうやら正解だったらしい
驚いて目を見開いた後で、感心したように『そうだ』と頷いた
流石に初対面の人間に名前を当てられると思わなかったらしく、桂小五郎も黙っていた高杉晋作も驚きを露わにしていた
僕も当たると思わなかったから少しビックリして居る。
でも、世話焼きだったらしい桂小五郎は何と無くこの優男にしっくり来たし、破天荒だった高杉晋作は何かしでかしそうな雰囲気が漂う隣の男にピッタリだ
「……何で分かったんだ?」
ここに来て始めて口を開いた高杉晋作は、警戒バリバリで疑問を聞いてくる
だから僕は素直に答えた
「当てずっぽうだよ。」
「あ?」
「適当に言ってみたら当たっちゃっただけ。」
その答えに一時ぽかんとした高杉晋作だったが………次第に声を上げて笑い出した
悪かったなくだらない理由で。何と無くぽいなと思って言ってみたら当たっちゃったんだよしょーがないだろ
「くっくっくっ……おもしれぇなお前。」
「ふふっそりゃどうも」
「俺が高杉晋作だと分かっても、捕らえようとはしないんだな。あの怖い副長さんに怒られんじゃねぇのか?」
「まぁ、バレたら怒られるだろうね。……でも」
「なんだ?」
「今、君らを捕らえるわけにはいかないんだよ」
だってこの人達は、日本を変える重要な役割があるんだから
にっこり微笑んで言った僕に、二人は首を傾げる
「………よくわからないね。どうして捕らえないんだい?」
「僕の勝手な判断だよ。あまり気にしなくていい」
「変わった奴だなぁ。……だが、気に入った」
そういって席を立ち。側まで歩いて来た高杉晋作は、見上げた僕にニヤリと笑って
「お前、俺らと来ねぇか?」
と、誘って来た
………は?
「何でさ。僕新撰組の隊士なんだけど」
「知ってらぁんなことは。」
「今更隊を抜けるなんて面倒な事したくないよ。ていうか長州藩って今追われる身だし、新撰組に追われるとかやだし、大変そうだし。」
「くくっ……なんだその理由。もっと締まる事言えよな」
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