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夏侯惇の下まで、曹操が連れていくのをみんなはただ黙って見続けた。
夏侯惇「それが、お前の世の婚礼か?」
水樹「多分ね。私さ、父親居なかったしちょっとこういうの憧れだったから」
私の仮の父親。でもとても嬉しくなった。
曹操「……成る程な。見送る側の親の気持ちが解る。愛娘を嫁にやった気分はこのようなものか…」
曹操は私からゆっくり離れた。
夏侯惇「娘、か…。孟徳、こんなのが娘でよかったか?」
水樹「夏侯惇?その言葉は私に対してかなり失礼ですよ?」
曹操は夏侯惇の問いに愉快そうに笑った。
曹操「そうだな…本当の娘ならば苦労しただろうな」
水樹「ひ……酷くない?」
曹操「だが、お主は儂にとって愛しき者だ。見方が変わっても、それは変わらん。それだけは心に刻んでおけ」
曹操は頭を軽く叩き、玉座に座る。
女としても、娘としても…私を愛してくれた曹操。
貴方にも、出会えて本当によかったよ…
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