弐拾壱章:禁門の変-弐-

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(鬼の面の中身はしょうもない世話焼きじじいってか) 楓は山南と自分に対しての土方の気遣いが歯痒くて仕方なかった。 それと同時に、濃厚な不安が楓の中を駆け回っていた。もしかしたら楓はこの時、今回の人員編成に土方以外の手が加わっていた事に薄々感付いていたのかもしれない。 ――優しさで戦力を削げるほど今の新撰組に余力があるのか? あまりにも情に流された采配に疑念を抱きながら、土方の策ならと楓は開きかけた口を制止させた。 この人選が分岐点になったか否か、真相は闇の中である。 しかし、新撰組の銭取橋への出陣を境に、歴史は大きく動きだしたのだ。
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