彼と一緒に恋のレベル上げ

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アパートの外階段を駆け上がり、部屋に入ってから玄関で立ち尽くす。 ほんとはそんな時間ないんだけど、でも、だって。 泊る準備って?! どこに泊まるの?とか 主任と一緒?(愚問?)とか なんで?とか この状況は何?とか そんなことは全部全部後回しにしなきゃいけない状況に焦って。 それでも洗面台の前に並んでいた化粧品とたんすの中からパジャマ代わりのルームウエアを引きずり出した。 トートバックを引っ張り出し、そこにすべて詰め込むとそのまま家を出た。 玄関の鍵をかけ、荷物の重みにふと我に返る。 今日はもうこの家に帰らない。 ということは…… ボンって音が聞こえそうなほど急に顔が赤くなったのがわかり、ますますうろたえて鍵穴に入れた鍵がうまく外せない。 玄関の前でワタワタしているとそこに階段から足音が聞こえてきた。 こんなところ、ご近所さんに見られたら、恥ずかしいのに。 なるべく顔を見られないように下を向いたままその人が過ぎるのを待つ。 ところがその人はピタッと私の後ろで足を止めると、 「モモ、戸締りできましたか?」 うわっ、ご近所さんじゃなくて主任っ 主任は私の手を上から軽く握りそのまま家のカギを鍵穴からはずすと、 「これは預かっておきます」 といって、自分のスーツのポケットに入れてしまった。 えと、それ、うちのカギなんですけど…… 下から主任を見上げて訴えようとしていると 「いらないでしょう?日曜の夜まで」 ええええ?! あの、それって、 えええええええ?! 「いきますよ」 そう言って私のトートバックを奪い、私の右手も取ると階段のほうへ歩き出した。 あの、主任? 色々と、説明とかっ してくれたりしませんか?!
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