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姉様、久しぶりなのに、こんな手紙で申し訳ありません。
姉様がこの手紙を読んでくれているという事は、これを書き上げ、送るまで正気でいられたという事でしょう。
これが私の、私として送れる最後の言葉かもしれません。
本当なら、墓前に花を供えにくらい行きたいのですが、彼がお墓に入るまで、私でいられる自信がありません。
姉様、もし、私の最後のわがままを聞いてくれるのなら、彼に伝えてください。
私が確かに彼を愛していたこと、誰より何より深く愛していたこと。
さようなら、最後に顔も見せられない私をどうか許してください。
「…………馬鹿、なんで私なんかに頼むのよ」
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