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「…金がない…」
俺はただ今絶賛金欠中だ。なぜなら、俺がこの世の中で生きていくために必要な知識を得るための方法を行うためには、金がいるからだ。
「まったく…暗夜はいつもそう言ってバイト始めるよね…校則で禁止されてるのに。」
俺の隣でため息をついたのは、陽向 光輝(ひむかいこうき)だ。いわゆるイケメンというやつで、ハーレムを築き上げている。本人は無自覚で。
「お前は羨ましすぎる。デカイ社長の御曹司でイケメン、しかも性格まで良しと来たら周りのやつがほっとかないな。」
俺はそう言いながら、朝の爽やかさに似合わないドロドロとした感情を感じ取り、ひっそりと光輝から離れる。
「どうしたんだ?暗夜。」
それに気付いた光輝は、首をかしげ俺を見下ろしてくる。
「クソッ…身長の差がこんなについていたと…ハッ!!すまん光輝!!ちょっと忘れ物したから、取ってくる。先に行っていてくれお願いだから頼む!!」
最後のを一息で言うと、俺は見た目のもっさり加減からは想像ができない速さで走り去る。
「ちょ…暗夜!!そっちは学校…」
「光輝くぅ~ん♪」
「光輝!!」
「光輝君!!」
「「「おはよう(ございます)!!一緒に学校へ行かないか(行きましょう)!!」」」
「え?あ、ちょ…」
後ろでドロドロとした感情を出していた人物たちが、光輝に近付き(もちろんドロドロは消えている)、奴の腕に自慢の胸を擦り付けながら媚びているなんて知らない。
本当に断じて知らない。しかし、これは昔からの恒例行事だ。俺たちが小学3年からの(もちろん、体のサイズは違う)。見ていなくてもわかる。
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