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「どうも、皆が大好き魔王様ですよ!こんばんミ☆」
僕は全力で会議室のドアを蹴り破り、可愛いと思われるポーズで登場した。
もうね、なんか12人居るけど、全員白けた感じで「また、来たよ……」みたいな表情だけど僕には関係ないね!
僕魔王だもん!
「魔王様、今は何時だと思っているのですか!?もう、5時間の遅刻ですよ。毎度毎度、時間には来て下さいと、言っているだろうが!!」
紺色の軍服で銀色の腰まである長い髪を振り乱し、紅い目で睨みながら全力で僕に罵声するのが、僕の暇潰しの道具兼世話係であり、可愛い部下の一人であるムッシュ・ド・ナーベフタである。
「ムッシュはさ、神経質で怒ってばかりで、カルシウム足りてないんじゃない?早死にするよ?」
「誰が怒らせてるんだ!誰がー!!」
全く最近のお年寄りは煩いね、ムッシュは二千歳くらいだったかな?
まぁ、吸血鬼だから若い見た目で肌も白くて綺麗なんだけど、年齢詐欺だよねー。
「まぁ、それは置いといて。会議どうなったの?何か決まった?」
「くっ、話を変えやがって……。そうですね、私はちょっと疲れたのでワイフ、魔王様に説明して下さい」
ムッシュは疲れたように椅子に腰掛け、机で腕を組みため息をついた。
疲れるの早いでしょ!これだからジジイは……。
赤い軍服で短髪の赤毛、赤い目で二メートルはありそうな大男が、ワイフ・デカイナー。
もう、融通利かないし暑苦しいから好きじゃないんだよね。
最近は日焼けがブームで一段とウザイ。
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