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「やーっぱり彼女居るんだー。凄い残念なんだけどー」
「ってか、先生レベルのイケメンが彼女居ない方が可笑しくない?」
「お弁当持たされるなんて、既に同棲中だったりしてーっ」
「きゃーっ、マジで!? もうショック過ぎて食欲出ないーっ」
とりあえず絡み付く腕からは解放されたものの、先程誰がどの位置に座るかと盛大に繰り広げられたじゃんけん大会を見守り、
中庭の木陰のベンチに座る俺の両隣は、勝ち誇った顔の女の子にがっしりと固められ、
どこからどうやって運んできたんだろうかと不思議に思う向かい合わせに置かれたベンチに、所狭しと並ぶ女の子達に囲まれている。
6つも年下の若さに圧倒されながら、無事に戻ってきた弁当を突付く俺は、思い思いに飛び交う話を受け流していた。
ちらりと目線を上げると、先程まで居た準備室の窓は開いたままで、カーテンがちらちらと風に揺られているのが見えた。
さっきのあれで嫉妬するくらいだ……
もしかしたら、今日は目も合わせてくれないかもしれない。
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