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ーー
昼下がりの公園
ーー
只今、あたしはベンチに腰掛けまったりと男を物色中。
いや、一応弁解しておくけど好きでやってるんじゃないからね。
まぁ、淫魔の性(サガ)よ。
「おい、淫魔。
そこで何してる?」
あたしの背後から嫌な奴の声がする。
このハスキーボイスで乱暴な話し方は……。
考えたくないけどアイツか?
「げっ、変態0能力者!」
あたしはゆっくり振り返る。
寝癖のついたコーヒー色の少し長めの髪に、切れ長の瞳。
背が高く細身で、今風の服を纏っている。
このシュッとした男はあたしの天敵の霊能力者だ。
「変態は余計だ」
霊能力者はブスッとする。
コイツもフツーにしてればイケメンなのになぁ。
この捻くれた性格でかなり損している気がする。
「変態よ。
あたしになびかないなんて可笑しいわ」
そうよ。
あたしに落とせない男はいない。
だけどコイツは……。
一向になびかない。
「俺は淫魔なんかに惑わされない」
霊能力者は自信たっぷりにいう。
あぁ、この鼻っ柱をへし折ってやりたいわ。
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