愛し方を教えます。

3/15
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
ーー 昼下がりの公園 ーー 只今、あたしはベンチに腰掛けまったりと男を物色中。 いや、一応弁解しておくけど好きでやってるんじゃないからね。 まぁ、淫魔の性(サガ)よ。 「おい、淫魔。 そこで何してる?」 あたしの背後から嫌な奴の声がする。 このハスキーボイスで乱暴な話し方は……。 考えたくないけどアイツか? 「げっ、変態0能力者!」 あたしはゆっくり振り返る。 寝癖のついたコーヒー色の少し長めの髪に、切れ長の瞳。 背が高く細身で、今風の服を纏っている。 このシュッとした男はあたしの天敵の霊能力者だ。 「変態は余計だ」 霊能力者はブスッとする。 コイツもフツーにしてればイケメンなのになぁ。 この捻くれた性格でかなり損している気がする。 「変態よ。 あたしになびかないなんて可笑しいわ」 そうよ。 あたしに落とせない男はいない。 だけどコイツは……。 一向になびかない。 「俺は淫魔なんかに惑わされない」 霊能力者は自信たっぷりにいう。 あぁ、この鼻っ柱をへし折ってやりたいわ。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!