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夏休みに向けての試験が終わり、試験結果が学園の壁に貼り出される。
ここは道華学園高等部。
一学年8クラス構成、生徒数は各学年320名。
一般的な進学校だ。
道華市の最南端に位置し、ここらの地域ではトップクラスだ。
まぁ俺は家から遠いのを理由に選んだのだが。
「タツマは結果見に行かないの?」
前の席の男子が振り向いて声をかけてくる。
この馴れ馴れしい男は俺の幼馴染み。
家が隣で、小さな頃は良く一緒に遊んでいた。
俺が遠くの学園を受験し、寮に入ったのはコイツと少しでも離れたかったから。
恐らくコイツは俺と親友のつもりなんだろう。
勘弁して欲しい。
俺はコイツが嫌いだ。
神堂 新 シンドウ アラタ
何をしても一番。
成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能。
絵に描いたような主人公。
そう、コイツは主人公なのだ。
何をしても一番。
性格も良くて常に中心にいる。
コイツが違うのならば誰が主人公なのだろう。
俺も一応は成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能に分類される自信はある。
若干の自惚れは否定出来ないが客観的に見てもそうなのだ。
良く言われる。
神堂が居なければ一番なのに。
ついた渾名は“二番目の男”。
全く。
嫌になる。
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