いままでとは違う何かが動き出した。

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いままでとは違う何かが動き出した。

今、俺、ただいま全力で走っています。 ここは陸上競技場でもなければ、別にからだ作りのために走っているわけでもない。 そう、全力で逃げているのだ。 時間は夜の11時。ケータイを開くが街中なのに圏外になっている。だがそんなことなんて、どうでもいいと思えることが起きている。かれこれ30分くらい走っているのだが、誰一人も見当たらない。11時とは行ってもここは都心街で、誰もいないわけがない。ハゲ散らかしたお土産片手に酔ったおっさんや、妙にムカつくバカップル共がいるはずだ。それに、今は真夏日。熱帯夜が問題視されているコンクリートジャングルのはずだが、真冬並みの寒さが皮膚を刺す。これだけは、恐怖からくるものなのか?。だが、ダントツで恐ろしいものが俺の後にいる。そう、俺が逃げている対象物だ。それは確かに俺を追いかけているが、何度振り返っても、それは歩いている。俺は全力で走っているはずなのに、距離が離れない。むしろ縮まってきている。おかしい。今起きていること全て絶対にありえない。これは夢だ、夢であってくれ。そう願った直後、 全力でこけた。
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