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出発
先生と会ったのは高校一年の春だった。当時、何の色もない私は無色透明で美醜の区別さえとんと見当がつかなかった。全国でも有名な私立高校に入学が決まった私は、今まで手をつけたことのなかった貯金をすべて引き出し、誰にも相談せず、ただ、「春、入学式までには帰ります」とだけ書いて家を後にした。全国でも有名な私立高校に入学が決まった私は、今まで手をつけたことのなかった貯金をすべて引き出し、誰にも相談せず、ただ、「春、入学式までには帰ります」とだけ書いて家を後にした。
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