サンザシ

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とりあえず宿で売ってたパンを買っておいたから、街で歩きながら食べて昼食にした。 シロツメさんはパンを半分食べた所で僕に渡してきた。 「もう良いんですか?」 「あぁ、普段あまり食べないからな」 「ある程度食べないと体が持ちませんよー」 「うむ…」 シロツメさんが不服そうな顔をしながら僕からパンを取りチマチマと食べ始めた。 すごい少食だな… 「いてっ」 とか思ってたんだけど誰かぶつかってきた。 「このボクにぶつかってきたのは誰だい」 ぶつかってきたと思う男の人が振り向いて睨んでくる。 どちらかと言うとぶつかられた気がするんだけど… 「君かい?この美しいボクにぶつかってきたのは」 確かに自画自賛するだけあって文句の言いようのない顔立ち…じゃなくて 「聞いているのかね。そこの野暮ったい君。」 胸を張って指を指してくる。よく見ると格好が派手で首に黒いリボンして胸元をはだけさせてる。 「えっ…あー…」 「ボクの美しさに嫉妬してぶつかってきたんだろう」 「えっと…嫉妬はしてないんですけど…」 チラッとシロツメさんの方を見るとパンをくわえたままムッとしてる。
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