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そのまま、俺はフィナに引き摺られて闘技場まで来た。途中で振りほどこうかと思ったが、意外と楽だったのでそのまま来た。
「おーおー、やってるなぁ」
俺はフィナの引きずりから解放されてから言った。
闘技場の中央では、知らない生徒と見た事がない生徒が闘っていた。
どちらも何となく動きがぎこちない。まだまだだね。
そして、知らない生徒が見た事がない生徒に勝った。
『さて、次は二回戦に入ります。1年Sクラスの代表と1年Aクラスの代表は中央に来てください』
「ほら、貴方の番よ」
「おう、行ってくるぜ」
俺は観客席から闘技場の真ん中に飛び降りた。周りを見渡すと、もう闘技場の中央に生徒が一人居た。
「よぉ、腰抜けヤロー」
「あ? 腰抜けヤロー? どこがだ?」
「あぁん? テメーは使い魔に任せただけで闘ってねぇじゃねぇか!! それを腰抜けヤローと言わずなんて言うんだよ!!」
「えっ、面倒くさがりとか?wwww」
「ヘラヘラすんじゃねぇ!!」
うぉ、いきなりキレたな……。カルシウムちゃんと取ってんのかな? 微塵も心配してやらんがwwww
「へっ、こんなヘラヘラした奴なら楽勝だぜ。Sクラスってのも大したことないんだなぁ!!」
名前が分からない生徒……モブZとしようか。モブZは闘技場中に聞こえるように言った。
その瞬間に、1年Sクラス以外の生徒から笑い声が聞こえてきた。
みんなやめろ!! フォンが物凄い怖い顔をしてるのが見えないのか!!
…………ん、フォンが俺に向かって何か口パクしてるな。何々……
こ・ろ・せ☆
…………アイツって一応俺の執事だよな。何で俺が命令されてんの?
よく見たらクラスメイト全員が『こ・ろ・せ☆』と口パクしていた。これが、成績優秀なSクラスの光景なのだろうか……?
『それでは、双方魔武器を構えて使い魔を出してください』
「『ゼット』『ズィー』」
モブZは魔武器のブーメランと使い魔の蛇を出した。
ブーメランがZの形だしwwww
使い魔の蛇も何故かZの形を維持してるしwwww
モブZの名は伊達じゃないなwwww
「ん~……『斬咲』」
俺は、使い魔を出さず居合刀『斬咲』だけを出して構えた。
「何だよ、使い魔を出さないのか?」
「あぁ、お前らなんて俺だけで充分だからな」
「こんの、野郎……!! 後悔すんなよ!!」
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