プロローグ

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真っ白な空間。 どこまでも無限に広く白い空間。 その白い空間には無尽蔵に純白の羽が舞っている。 一人の少女が浮いている。 長い黒髪を白いりぼんでツインテールに縛った整った顔立ちの少女。白いシンプルな肩がでているワンピースを着て、どこから生えているのか背中から大きく柔らかな白い翼をはやしている。 少女がふと顔を上げた。 どこからか小さな羽根の生えた丸い生物が自分の身体もある羽根を邪魔そうに押しのけて解けばB4くらいにはなるだろう真新しい巻き紙を筒のように巻き、広がらないよう赤い紐を結んだものを少女のもとへ持っていく。 「……」 さして驚いたふうもなく少女は巻き紙を受け取って、紐をするりと解き、溜息をついた。
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