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「前にさ、赤点なかったらご褒美貰えるってことになったじゃん?それで、ご褒美は何が良いかなって考えたんだ」
「…え、ご褒美って私が考えんじゃないの?」
「んーと…あ、これこれ!」
私の質問は無視か、おい。
眉間にシワを寄せる私をよそに湊人がカバンからゴソゴソと取り出したのは一枚のチラシ。
「七夕祭り?」
渡されたチラシは、近くの神社で毎年七夕の日に開催されている祭りのものだった。
「そ。コレ行きたいんだよね。全部由希菜のおごりでヨロシク!」
いつものアイドルスマイルにウインク。
反則技のダブルパンチをくらって、脈拍が一気に上昇し今にもノックアウトのゴングが鳴り響きそうだ。
「…大丈夫?」
多分、魂が抜けた顔をしていたのだろう。
湊人が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
これじゃ気持ちがバレるのも時間の問題だ。
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