恐怖其一

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ある夏の夜、雨がざあざあと降りしきる中、白装束を纏い畦道を歩く女。 彼女の顔は長い黒髪で隠れ表情は伺えない。 そこへ一台のバイクが通りかかった。 バイクの運転手は、ずぶ濡れで歩いているその女を見つけバイクをとめた。 そして、彼女がそれに気づき立ち止まると運転手はこう言った。 「女性の夜の独り歩きは危険です。 見回りのついでに、私が家の近くまでお送りしましょう。」 どうやらバイクの運転手は警察官のようだ。 この時、お互いの顔はまだ見えていない。 警察官の申し出に彼女は同意し、一緒に歩きはじめた。
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