~その人が仰るには~

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~その人が仰るには~

………それは、その総(すべ)てが、混沌として在る時。 何時かは判らない。どれくらい前かは、最早誰も知らないという。 人も霊魂も死者も、悪魔も神も…… 何もかもが一つの場所に在り、秩序もルールも総て混沌とする時代がありました。 そしてそこは神々が総てを従え、統治していたのです。強大な力を振るう神々は、その力で他の存在を抗えなくしていたのです。 特に醜い姿で産まれてしまった悪魔は、周りから疎まれ、神々にとっては虐げるには絶好の対象でした。 そして神々に対する不信感は次第に、憎しみに変わりつつありました。 ―――そんな時です。 どこから現れた、9人が人や動物、あらゆるモノ達……そして悪魔にも高らかに声を上げて問いました。 「―――自由が欲しくないかしら!?」 そしてその9人に賛同したモノ達と、当然この動きを許す訳がない神々が反発し、次第に完全な対立となり、一触即発の状態に。 そんな中、神々は…… 「我々は最強の力を持つ!故に我々が統治するが自然の摂理なり!」 すると9人は…… 「―――潰しまょう、あいつ等。」 『賛成~。』 翌日、神々は自身とその従者、総計四億以上の軍勢を用意。 対して9人は、自身等と9人の従者のみを従えたのみで、大海原を舞台とした極端な戦力差での戦争を始めました。 「―――開始30分で神軍勢、全滅ですぅ~。」 「……手応え、無し。」 そして神に勝利した9人とその従者は、神とそして人や悪魔達に一つの提案をしました。 「この世界は狭すぎるわ。私達が広くするから、そこで暮らしなさい。ただし、それぞれの種族は別々の次元に、分ける事にするから。」 「…ちなみに、異論は認めないわよ。それがこの混沌を招いたんだから。」 そして今の世界があるという…… (――マスターより聞いた、遥か昔の物語、前半より抜粋。)
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