練習

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……体育館。 向「ヘックチ」 下「うわ、何今の音」 向「うわって言わないでよ……くしゃみが出たのよ、くしゃみ」 転「わぁ。向さんって可愛らしいくしゃみをなさるんですね~」 向「え、そ、そうかしら?」 下「くしゃみ『は』可愛らしいんだね!!」 向「はいはいどうせ私はくしゃみ以外は可愛らしくないわよ!!」 上「カワウらしい?」 向「カワウらしいくしゃみって何よ!!長良川で鮎獲ってるようなくしゃみってどんなんなのよ!?」 転「でもくしゃみをされるなんて、風邪気味ですか?」 向「それは無いと思うけど……体育館の中クソ蒸し暑いし」 下「そうそう、昔から言うじゃん。ブァカは風邪ひかないってヒャハハハ!!」 向(コイツいつか衝動的に殺してしまいそうで怖いわ……) 上「じゃあ誰かに噂されてんじゃない?」 転「誰かに噂されるなんて、向さんは人気者ですね」 向「バカバカしいわね、そんなオカルトめいた迷信は信じないわ」 上(オカルトは実際にあるから困るんだよねー。幽霊とか猫又とか) 転「分かりませんよ、向さん美人でしっかり者ですから」 向「そうかしら。くしゃみなんて、ただダンスの練習で汗をかいたから、休憩時間になって体が冷えただけよ」 下「美人でしっかり者ってのは否定しないんだねこのナルシストォ」 向「アンタは何をさっきから突っかかって来るのよ……私、アンタの親でも殺した?」 担任「お、殺しの話は学校とかではあんましない方が良いよ」 向「あ、先生。あんまって言うか全く以ってするべきでは無いと思いますけど」 担任「四人とも、そろそろ休憩終わりだかんね」 上「はーい」 転「休憩後はまたダンスの練習ですか?」 担任「ん、そうですね」 下「えー、もう嫌ですよダンスなんてー」 向「ちょっと下、我が儘言わないの!!」 下「だってダンスつっても大したクオリティじゃないしー、動きはダサいしー、正直誰が見るんだってレベルだしー」 向「うーん……」 転「私がコネで一流のボリショイバレエを呼びましょうか?」 向「それ体育祭を喰っちゃうわよね、明らかにバレエメインになるわよね」 下「もうそれでも良いよ。ねえ先生、こんなんダルイだけですよー」 担任「アタシだってダンス練習の監督とかダルくてやりたくねぇよ」 向「そこで同意しないで下さいよ」
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