第十話

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ユウガ 「…手」 ミキ 「手?」 ユウガ 「…人混みの中だとはぐれるかもしれないだろ?だから…手、掴んでおけ」 ミキ 「う…うん。ありがとう」 ユウガ 「…ん」 ミキ<ナレ> 「私は恐る恐るユウガ君と手を繋いだ。彼の手は大きくて骨ばっていて…温かかった。男の子なんだなって…感じた」 ユウガ<ナレ> 「彼女の手は、俺の手にすっぽりと収まってしまう程小さかった。こうしていると不思議と落ち着く…。ずっと繋いでいたい、なんて思った」 ミキ 「………」 ユウガ 「…緊張…してるか?」 ミキ 「…う、うん」 (照れながら俯く) ユウガ 「…なんだ…一緒か…」 ミキ 「え…?」 ユウガ 「…俺も緊張してる」 (照れながら微笑む) ミキ<心の声> 「そっか…。ユウガ君も…緊張してるんだ…」 ミキ<ナレ> 「私は緊張しながらも、ユウガ君と会話をする」 ミキ 「…ユウガ君も?なんか意外」 ユウガ 「意外か…?」 ミキ 「うん…」 ユウガ 「…俺、こうやって女の子と出掛けるの…初めてなんだ」 ミキ 「…そうなの?」 ユウガ 「ああ…」 ミキ<心の声> 「私が初めてって…なんか嬉しい…」
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