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淋しさを紛らわせるなら 誰でもよかった 心の隙間さえ埋まるなら 体なんてどうでも… ゆっくりと吹き抜けた 夏空の暖かい風 頬を伝う涙がせつなく 全てを語り尽くした 嫌でも忘れられない 記憶に刻まれている 汚れた自分が優しく 泣きながら笑ってた 誰にも気付かれずに 増えていく悲しい雨音 静かに瞳を閉じて そっと涙が零れていく 滲む夕暮れ一人歩いた 帰る場所なんてなかった すれ違う笑い声がとても 胸に激しく突き刺さる ずっと探し続けていた 暖かい温もりと幸せ だけど現実は理想と 違うものだって知った 売りさばいた体にさえ いつしか虚しさも 感じなくなっていた 増えていくお金にさえも 与えられた運命がそう こんな運命ならいっそ いらないって思ったのは 一体何度目だろう 打ち上がる花火を一人 見ていても泣いていた 美しすぎる余りに 儚いものだと知った 苦しみや悲しみがあれば 嬉しさも喜びもあると 信じていたけれどそれは 嘘なんだと思った 消せはしない過去も 何もかも全てきっと いつまでも続く 悪夢のようなもの… だけど私には幸せに なれる資格なんてない わかってるよ…でも 温もりが欲しかった
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