あとがき。と、私の昔話。

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彼と似ている人を探して、彼の面影を誰かに探して いつからだったか、いつの間にかだったか。 彼と仲の悪かった知り合いの男が、私に触れながら笑います。 「会いたいなら会えば良い。俺はアイツのどこに似てるか、自分で探せ」と。 その男の声と、彼の声はふとした時よく似ていました。 私はただ会いたかった。声だけでも良かった 自分の身に、こんなに動かない気持ちがあるのかって信じられないくらい彼を忘れられない。 彼じゃないその人を変わりにし続けて、私は20歳になります。 新しい恋をしました。 凄く好きになれて、凄く大切に出来て。 このまま、彼を思い出に出来る。 だからもう会わない。 その事を男に伝えたら、初めて頬を叩かれました。 「ちっとは他人の気持ちを考えろ」と。 私は、その時になって初めて男を傷付けていたと気付いたのです。 そして、私を本当に思ってくれてた事も、その時にやっと気付いて、自分の浅はかさが嫌になりました。 新しい彼と過ごす日常の、ある日突然。 離れた彼と連絡を取る機会が訪れます。 「私は、進めそう」。その言葉に彼は「お前が俺以外を好きになれる筈ない。…迎えに行く」と言って 次の日、本当に迎えに来ました。 何の為に4年も泣いて、忘れられなくて他の人を利用して 意味がなくなる。自分の4年が無意味になる。 新しい恋人だとか意地だとか。 理由は色々あるけど。 本当に、彼から離れる事をその時決めました。 もう誰かを身代わりにする事もしないで良い、彼を思って泣かなくて良い。 そうさせてくれた新しい彼を何より大事にしたかったから。
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