テスト

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○   ○   ○   ○ MC 『ではではぁ!これよりエキシビションマッチを開始します!アクションフィールド、《南国アイランド》発動!』 『ソリッド・ヴィジョンシステム、起動。アクションフィールド展開』 テンション高く響いたMCの掛け声と共にデュエルスタジアムに輝きが満ちた。 粉雪の如く風に舞う光の粒子。 それは何の飾りも無かった無骨な舞台を包み込み、やがて空間を砂浜と木々が織り成す箱庭へと変化させる。 客の歓声だけが響いていたスタジアムに混ざり出す波と動物達のざわめき。 足裏には砂地の感触。鼻腔を刺激するのは潮の香り。 目に見える景色は紛れもなくこのフィールドに付けられた陳腐な名前通り、南国のそれだった。 ルミナ 「わぁぁっ!やっぱりプロ用のソリッド・ヴィジョンは迫力が違いますね。本物の砂浜みたーいっ」 僅か数秒で激変したスタジアムの姿に挑戦者の少女はただでさえ大きな目を見開いて景色を見渡す。 木々の葉に触れ、サイドテールを揺らしながら砂浜を駆け回る彼女。 その姿に年相応の無邪気さを見て取りつつ、俺も彼女に倣って砂をひとつまみ。 指先に挟んだ細かな砂粒達は少し動かせばさらさらと零れ、風に流される。 遊司 (ま、初めての奴は驚くよな。作り物にしちゃこの再現性は異常だ。もう慣れたが) だが、喩え触れた砂に感触や重みを感じようと。 五感の八割がこの南国を実感していようともこれは現実ではない。 全ては十年前に作られた新たな技術。 『質量を持つソリッド・ヴィジョン』によって精巧に象られた偽物なのだ。 『アクションフィールド展開完了。アクションカード散布用意』 偶像はこの仰々しい舞台装置だけに限らず、これから行われるデュエルにおいても適用される。 モンスターも、魔法も、罠も。 デュエルを構成する全てがこの舞台では実体ある映像として再現され、戦いを盛り上げるスパイスとなる。 そしてモンスターとデュエリスト。 両者が一体となって縦横無尽に地を駆ける姿から、それは『アクション・デュエル』と名付けられーー MC 『チャレンジャー、霧島プロ。共に準備はよろしいですかー!?』 遊司 「大丈夫ですよ。そっちも、用意は出来ているね?」 ルミナ 「はいっ!天道ルミナ、プロデュエリストへ向けての第一歩!この大舞台に刻ませて頂きます!」 今、この世界で流行している最先端のエンターテイメントショーであった。
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